【A社様】1社依存による売り上げ激減から、3年間で黒字へ
支援前
金属部品の製造を手掛けるA社様の事例です。A社様は、元請けメーカーB社に対する売り上げの依存度が高く、売り上げの約8割がB社からの下請けによるものでした。B社の業績悪化に伴い、もともと12億近くあった売上高が半減。業績の赤字が続き、借入金の返済も難しい状況でした。
支援内容
まずは財務状況を把握し、共有することからスタート。売り上げが半減しながらも固定費の削減が追いついておらず、さらには業績が悪化する前に大きな設備投資もしていました。そのため、省人化や役員報酬の減額などにより、固定費を計画的に削減していくことが必要だと判断しました。
また、材料費や外注費などの顧客別の原価を分析しました。これらを把握した上で、私たちとA社社長、現場管理部門のリーダーで月に1度ミーティングを行い、問題点の共有や計画と実績の確認、管理を行っていきました。
また売り上げの1社依存を解消するため、顧客別の月次売り上げ計画を策定し、毎月実績を管理。社長による営業活動を計画的に進められるよう支援し、幅広い受注の獲得に繋げていきました。
支援後
業績の赤字が続いていたA社様でしたが、支援を経て3年後、黒字へと転換しました。その後も継続して支援を続けています。支援当初はA社社長から「一生懸命やっているが、うまくいかない」と弱気な発言も出ていましたが、経営状況を定量的に把握し、適切な課題設定と取り組みにより、3年間で業績が改善していきました。今は前向きに経営に取り組まれています。
【B社様】9年間続いた赤字を、2年間で黒字へ
支援前
樹脂成型加工を手掛けるB社様の事例です。B社様は、一定の売上は維持していたものの、商品それぞれの原価管理がなされておらず、赤字が9年間続いている状態。そのため資金不足に陥り、借入金の返済も難しい状況でした。
支援内容
財務状況を確認したところ、外注費や材料費などの変動費が上がり続けていました。そこで、製品別の年間売り上げリストを作成。2000ほどの取り扱い品番のうち、上位30品番が売り上げの75%を占めていることがわかりました。
それらの製品を個別に材料費、外注費、加工費を分析。材料費率が高いものは可能な限りリサイクル材を使用するようにしました。外注費率が高いものに関しては、自社内製化を検討。加工費率が高いものは成形時間の短縮に務めました。
このように、製品ごとに現場でやるべきことを明確にして実行し、その実績を管理して、取り組みを確実に進めていく支援を行いました。
支援後
1ヶ月に1回の会議では、取り組みが実際の数字にどのように反映されていくかを経営者と一緒に確認し、さらなる対策の検討や進捗確認を重ねていきました。その結果、半年後には少しずつ利益が改善されはじめました。
【C社様】
支援前
大手産業機械メーカーとして、急成長を遂げてきたC社様。トップダウンの経営で成長してきましたが、会社の規模も拡大していく中で、これまでの経営手法による組織・会社の成長に限界を感じていたようです。自ら考え、行動できる社員を育成するため、教育指導を依頼されました。
支援内容
6ヶ月間のプロジェクト形式で問題解決の手法を指導しました。部署ごとでチームを作り、実際の職場内で抱えている課題をテーマにし、その解決に取り組んでいただきました。
問題解決の手法は以下のとおりです。
- テーマ選定…チーム内で共有できる課題
- 現状把握…調査、分析。数値やグラフなどのデータで見える化
- 目標設定…何をどのくらいどうするのか、具体的な数値を設定
- 要因解析…「なぜ」を繰り返し、見つかった要因に対して立案
- 対策立案および効果の確認…改善案を立てて実施し、効果を確認。達成できなかった場合は現状把握に戻る
- 標準化…定着させるしかけをつくり、再発を防止する
プロジェクトの最後には、これらの内容をA3用紙の1枚にまとめて、先輩社員や上司、役員の前で発表していただきました。
支援後
C社様はさらに成長。チーム内で問題を共有し、ステップにしたがって解決する意識が高まってきました。経営陣にはその効果を感じていただき、この教育指導は4年間にわたり続いています。
「経営」には、自社の現状を把握して、具体的な数値や行動指針などの計画を策定し、それにもとづいた計画の運用と実績評価が必須です。中小企業庁『小規模企業白書(2020年版)』によると、「自社の経営課題を十分に把握できている」と答えた割合が、小規模事業者で4.7%、中規模事業者で8.2%。自社の強みや弱み、⾃社の競合や業界等の外部環境などの現状把握ができているかどうかも、これに近い数字になっています。このように、現状把握が必要であるとわかりながらも、できていない方は多いでしょう。「決算書を見てもピンとこない」「このままで大丈夫なのか」そんな小さな不安でも、まずはお気軽にご相談ください。